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April 24, 2006

『姑獲鳥の夏』~文章でしか成り立たない事件

姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション
堤真一 京極夏彦 実相寺昭雄
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世間が忘れた頃に見てみました(笑)、
京極夏彦デビュー作『姑獲鳥の夏』の映画化作品。
でも私これ文庫持ってないので、こういう話だっけ?というところがけっこうあるんですが……。

昭和27年夏、久遠寺医院の妹娘は妊娠20ヶ月になっても出産の気配がなく、夫は失踪するなど奇妙な事件が続いていた。
私立探偵・榎木津礼二郎のもとへ久遠寺の姉娘・涼子が依頼にやってきたのをきっかけに、小説家の関口巽、そして古書店の主『京極堂』こと中禅寺秋彦も事件に関わることになる……。

むーん?
わかりやすく書くとこういうことなんだろうけど……出だしがそもそも関口君が悪夢に魘されてたり、眩暈坂でめちゃめちゃめまってたりしてるんですよね。
何その異様に不自然な眩暈っぷり。
京極堂の薀蓄も実際耳で聞くとあの会話についていくのは至難の業だとゆーことがよくわかりました……。
えーと、で、話?
話はあんまり印象に残ってないな……。
キャラクターを語るしかないだろうか。
とりあえずエノさんは思ったよりは平凡。
それにしても阿部寛ってもうイロモノしか仕事が来ないのかしら……ちょっと気の毒……(涙)。
でも関口君てエノさんの目のこと知らないんだっけ?
でもってエノさんの目って戦争の時からなんだっけ? あれ?
でも一番の衝撃はアレですね。
木場修がちっちゃい。
誰あのインテリヤクザみたいの!?
木場修はもっとがたいがよくて角刈りで関口君なんか肩に担げちゃうくらいのはずなのに!(←水原さんイメージですが)
関口君はまあまあ、京極堂は思ったよりは雰囲気出てたかな?
でも関口君の奥さんはもっと地味ってか儚げなんじゃないかと思う……。
まあともかく、関口君とエノさんは久遠寺に行くわけですよ。
そんで夫が失踪したという書庫に入ろうとして、エノさん吃驚!
そんで何の反応もしない関口君にも吃驚!
ここが物語の要なのに全然それが伝わってこない……。
関口君のイカれっぷりがこの話のトリックそのものなのに!
原作読んだ時は「何じゃそれはー! ミスリーディングですらないじゃないか馬鹿野郎!」とめちゃくちゃ怒りましたよ(笑)。
でももうだいぶ内容忘れてて、映画見て思ったんだけど、あの衝立あったんだっけ?
関口君(とエノさん)にはもっとちゃんと見えてたんじゃないんだっけ。
うーん?
あと気になるのが関口君がやったことがぼかされまくってることでしょうか。
失踪した久遠寺の婿が実は関口たちの学生時代の先輩で、学生の頃、関口君は久遠寺の娘に恋文を渡すよう頼まれたんですよね。
ところが関口君はその事実をまったく記憶していなかった。
そして当時、ひどい鬱病になってしまった……。
その理由はつまり関口君が恋文渡しに行った先で、その少女と淫行(この時代の言い方だとね)しちまったからなわけですが。
その事実を思い出した衝撃ってもんが伝わってこないっていうか、京極堂に憑き物落としを頼む場面ももっと必死だったと思うのですが。
なんかなあ……。
唯一可愛かったのは猫。
白たび履いた京極さんちの猫が超可愛かったー!
あと古書店『京極堂』が、おお中はこんななんだ!とか、そういうちょっとしたレベルでの発見というか、自分で見つけて楽しむ以外なかったというか……。
まあ『姑獲鳥』そのものが関口君という情緒不安定妄想の塊みたいな人間の視点で書かれているからこそ成り立った作品なわけで、映画化はもともと難しいんですけどね。
別に見ないでもよかったかなあと思ったのでした。

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