January 03, 2007

2006年ブックランキング

タイトルのわりにDVDレビューばかり書いていた昨年ですが、本ももちろん読んでいたのですよ。
そんなわけで2006年の個人的ランキングを決めてみました。しかし去年は面白い本が盛りだくさんですごく悩みましたー!

<第1位>
マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉
冲方 丁
4150308691
悩みましたが冲方丁の名作『マルドゥック・スクランブル』の続編を1位に。忘れられない作品です。

<第2位>
ブレイブ・ストーリー (上)
宮部 みゆき
4043611110 映画化もされた宮部みゆきのファンタジー。RPGっぽいですが、勇気をくれる1冊でした。

<第3位>
天使と悪魔 (上)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
4042955010
『ダ・ヴィンチ・コード』より私はこっちの方が面白かった。
下巻冒頭のカメルレンゴの台詞を何度も読み返してしまいます。

<第4位>
第三の時効
横山 秀夫
4087460193
短編集なら断然これ! 横山秀夫は職人です。名人の技が光ります。

<第5位>
黒と茶の幻想 (上)
恩田 陸
4062749459
当たり外れの多い恩田陸ですがこの作品はとても好き。
年をとった時こんな風に自分を振り返る旅が出来るかなあ……。

<番外>
米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』
J.ディーヴァー『エンプティー・チェア』

未読の本がありましたらぜひお手に追ってみて下さい。いずれもオススメの一品です。
さて2007年も豊漁だといいのですが(笑)。

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December 23, 2006

『手紙』~家族が加害者となったとき

手紙
東野 圭吾
4167110113
<あらすじ>
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたい一心から盗みに入った屋敷で、思いがけず人を殺してしまった。
懲役15年の判決を受けた彼から直貴月に一度必ず届く手紙。
だが世間に一人残された直貴は「強盗殺人犯の弟」というレッテルに苦しんでいた。

とても考えさせられる話でした。
両親がなく苦労して育った兄弟。弟のために必死に働いて体を壊し、どうにもならなくなって盗みに入った先で人を殺してしまった兄。
しかしどんな事情があれ、被害者の遺族にとっては許さざる蛮行です。
そしてひとり残された弟に待っていた世間の冷たい目。
いえ、冷たい、というのとは少し違います。
その「少し違う」目の正体が何なのかを、この物語は炙り出していきます。
想像してみてください。
もし自分の隣の部屋に、あるいは職場の隣の席にいる人の兄が『強盗殺人犯』だと聞いたら?
事情など知らず、ただ『強盗殺人』と聞けば、それはひどく凶悪な事件です。
もちろん罪を犯したのはその兄であって、本人ではありません。
それはわかっています。
でも―――でも、です。
事件のことはおろか、隣人のこともよく知らなかったら、やっぱり真っ先に感じるのは『不安』ではないでしょうか。
たとえばそのお兄さんが出所してきたら?
まさか隣の家に住む? 強盗殺人犯が?
何かまた事件を起こしたりはしないだろうか?
いや、そもそもこの『隣人』は本当にごく『普通』の人なんだろうか?
兄が強盗殺人を犯すような家に育ったんだから、もしかしたらこの人だって―――。
そんな『不安』が際限なく、染みのように胸に広がってはいきませんか?
それを『差別』と呼ぶ人もいます。
そしてこの物語の中ではジョン・レノンの『イマジン』が大きな主題を担っています。

「想像してごらん、差別や偏見のない世界を―――」

けれど現実には『強盗殺人犯』の弟であることを知られるたび、彼は職を追われ、夢も、恋人との結婚も諦めざるを得ませんでした。
それを『差別』とやはり人は呼ぶのでしょうか。
彼が就職した会社の社長は「差別は当然だ」と言います。
罪を犯せば、家族や友人にも累が及ぶ―――それも罰なのだと。
だから罪を犯してはいけないのだと、知らしめる必要があるのだと。
確かにそうかもしれません。
でも現実に、この弟は何もしていないのに、差別されるのは正しいことなのか?
そして自分は彼を差別しないといえるのか?
その問いかけに答えは出せません。
小心者の私としては、できればこんな場面には出会うことがないようにと祈るばかりです。
それでは何の解決にもならないこともわかってはいるのですが。

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August 05, 2006

『終末のフール』~風変わりなアルマゲドン

終末のフール
伊坂 幸太郎
4087748030

なぜか漫画古本屋で売ってたので珍しくハードカバーで読みました。
あそこはシュリンクかかってるからブック●フで買うより綺麗です♪
えーと、内容ですが。
8年後に小惑星が落ちてきて地球は壊滅する、と言われてから5年、終末まであと3年。
ひととおりパニックが終わり奇妙に穏やかな時間が訪れた仙台のとある街で生き残った人々の暮らしを淡々と描いてます。
こうしてみると伊坂幸太郎ってストーリーらしいストーリーはあんまりない作家だよね……。
この間読んだ『天使と悪魔』みたいに波乱万丈、ドキドキわくわくじゃなく本当に淡々。
これも地球壊滅を回避しようと必死になる政府や科学者の話じゃなく、かといって生き延びようと必死に戦う人々の話でもなく。
何かぽっかりと空いた時間のお話です。
地球壊滅寸前で、普通の人々の話を書いた本といえば新井素子の『ひとめあなたに……』を思い出します。
あれともまたちょっと違うんですが。
非常に感想が書きづらい本です。
こんな半端な状況の人々の気持ちは想像しづらいんですが、こんな状況設定でなければまるっきり『普通』の人々、『普通』の暮らしです。
だからそれぞれの思いに時々、「ああ、わかるなあ」って思うことがあっても、それはこの状況じゃなくてもわかることで。
……つまりまあ、感想をストレートに言うと微妙です。
でも1箇所泣いたなー。
ボクシング選手のインタビューのところで。
そのひとことは別ブログに載せておきます。
この本のテーマならあって当然、のひとことではあるんだけど人生に悩む人間にはぐさっときたよ……。

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July 29, 2006

『天使と悪魔』~ラングドン教授、ローマを走る!

天使と悪魔 (上)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
4042955010

セルン(欧州合同素粒子原子核研究機構)で起きた殺人事件の被害者の胸には失われた秘密結社の焼印が押されているた。
手がかりを求め招聘されたハーバードの宗教象徴学教授ロバート・ラングドンはそこで数マイル四方を吹き飛ばすことが可能な反物質が盗み出されたことを知る。
そしてそれは同じ日、新たな法皇を選ぶべくコンクラーベが開催されるヴァチカンに仕掛けられていた……。

というわけで、大ヒット作『ダ・ヴィンチ・コード』のラングドン教授デビュー作。
や、面白かったですよ!
個人的には『ダ・ヴィンチ・コード』より面白いと思いました。
実在するセルンという研究機関で、『無』から物質を作り出す、すなわち『天地創造』を成し遂げた学者が殺された。
そしてまだ誰も知らないはずの『反物質』が盗み出され、今まさにコンクラーベが開かれようとするヴァチカンに仕掛けられます。
そのうえ秘密結社イルミナティの暗殺者は法皇の最有力候補である4人の枢機卿を誘拐、残酷なやり方で殺してみせると宣言。
枢機卿が殺される場所を探し出すために、ラングドンはイルミナティが密かに残した『啓示の道』を探してローマ中を走り回ることになります。
反物質が爆発するまでというタイムリミットの中で、果たして反物質はどこに仕掛けられているのか、啓示の道を見つけ枢機卿を救い出すことはできるのか、そしてコンクラーベはどうなってしまうのか。
続きが気になって気になってページをめくる手が止まらない、非常にドラマティックな作品です。
そしてもうひとつ。
科学は神を否定するものなのか―――それがこの作品の大きなテーマです。
反物質の製造に成功した、すなわち科学が『天地創造』に成功したとしたら。
科学と宗教は果たして相容れないものなのでしょうか?
前法皇の侍従がテレビから全世界に語りかける言葉は胸に迫りました。
単純にタイムリミット・サスペンスとしても一級品ですし、ヴァチカンやローマの宝石のような建造物を思い浮かべながら読むだけでも十分楽しめますが、読後ちょっと考えてみたい作品です。

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May 01, 2006

『とりぱん』~あなたの庭にもポンちゃんが

とりぱん 1 (1)
とりの なん子
4063375943

タイトルが妙に気になって買ってみました。
東北で暮らす主人公(30代女・独身(笑))が主に庭先にやってくる小鳥たちの姿をユーモラスに描いた4コマがとっても楽しい!
読んでいて「ぷっ」と吹き出すこともしばしば。
なるほど、タイトルの『とりぱん』て鳥にあげるパンのことなんですね。(ウチでハロゲンヒータをつけて前に置いた猫ちぐらのことを「ハロちぐ」というようなものだ)(はしょりすぎ?)

うちの母もこの冬、野良猫の面倒ばかりか裏の川にいる鴨とカモメの面倒まで見始めちゃってねえ……。
毎日毎日パン屋からスーパーのレジ袋いっぱいの食パンの耳をもらってくるんですよ。
しかもタダなんです。わざわざ母のためにとっておいてくれるんです。
いいパン屋さんだ……(涙)。
しかしそれ以上にレジ袋いっぱいのパンが1日でなくなるのはどういうことかと思う。
さらにいつも同じ時間にあげているため、その時刻には大量の鴨やカモメが群がってくるそうで、そのうち近所に訴えられるんじゃないかと不安です(苦笑)。

でもこうしてちょっと窓の外に目を向けてみるだけで、普段見過ごしているちょっとした幸せが見つかるのかもしれませんね。

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April 28, 2006

『誰か Somebody』~暗い、暗いと云ひながら

誰か Somebody
宮部 みゆき
4334076173

今多コンツェルンの広報室に勤務する杉村は、義父でもある会長から個人運転手だった梶田の娘の相談に乗ってやれと命じられた。
姉妹は梶田氏は自転車にはねられたこと、犯人がまだ捕まらないこと、そして犯人に訴えるためにも父親の思い出を綴った本を出したいと言う。
杉村は協力するために梶田氏の過去を追うことになるが……。

うーん、さすが宮部みゆき。
今回の探偵役は刑事でも少年でもなく、いわゆる『逆玉』にのったけれど妻と子と平和に暮らしていくのが夢という平凡なサラリーマン。
お金持ちの奥さんを貰ったけど会社でのしあがるような野心があるわけではなく、かといって卑屈でもなく、淡々と今の現実を受けれている。
簡単そうに見えて実はすごく難しいことですよね。
そして同時にこの物語の主役と言えるのが梶田氏のふたりの娘。
年の離れた対照的な姉妹です。
ひどく心配性で、「どんな影にもお化けを見てしまう」姉の聡美と、梶田夫妻の「いちばん星」だった梨子。
えーとここちょっとネタバレになっちゃうんですけど(まあ途中で読者にはわかります)、梨子は姉・聡美の婚約者と浮気していました。
そんなことで姉に勝とうとする妹ってよくわかりませんが、前にテレビでもやっぱり同じような姉妹が出てきてビックリしました。
私は恋愛はいつか冷めるけど血は一生切れないものだと思っているので……だってそんなテレビにまで出て、今後二度と親戚と会えないよ!?
この場合男も最低も最低ですが。
そういうわけで、ラストは主人公が知った梶田氏の過去と関係なく、姉妹は辛いことになります。
理不尽な怒りを姉妹にぶつけられてもその事実を隠しとおした主人公は立派ですよ。
会社で出世なんかしなくとも、ドラマの探偵のように派手なことしなくても、言うべきこととそうでないことを知っている主人公を私は立派な、本当にやさしい大人だと思います。
チャンドラーに『男はタフでなくては生きていけない。
優しくなければ生きていく資格がない。』って名台詞がありますが、現代日本、タフではないけど優しい男には辛い世界かもしれませんね。

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April 10, 2006

『魔神の遊戯』~御手洗とユダヤの神

魔神の遊戯
島田 荘司
4167480034

スコットランドの小さな村で起きた連続バラバラ殺人。
怪力でちぎり取られたようなパーツは村中にばらまかれ、謎の咆哮が空に響き渡る。
荒ぶるユダヤの神ヤーハエの仕業かと思われるなか、偶然村を訪れていたスウェーデンの大学教授ミタライが調査を始めるが……。

あーなるほどこういうオチか。
どうりで御手洗がそれほど××じゃないと思った。(軽くネタばれな感想ですね)
わりと今回は事件部分が長くてよかったかな。
最近の御手洗ものはなんか途中に挿入される神話だの歴史話だのが長くてちょっと退屈だったので……。
オチはわりとあっけなかったというか、え、それだけのためにこんなことしたの?という感じもしましたが。
でも今回、語り手のせいかもしれませんが御手洗の印象がすごく薄い。
なんだかのっぺらぼうみたいに感じました。
最後の犯人との会話とか、「誰この立派な学者さん」っていうか、ああ本当にあなたはもう横浜馬車道の奇矯な占い師ではないのですね。
でも私としてはやっぱり突然パブで演説始めちゃうような御手洗が懐かしいのでした(涙)。

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March 11, 2006

『熊の場所』~舞城節炸裂!

熊の場所
舞城 王太郎
4062753316

この薄さならも少し安くしてほしいなあ。
でも舞城は短編の方がいいかもですね。
この作家の作品はストーリーじゃなく、文章を楽しむものだから。
やたら長いわけのわからない物語を書かれるより、短い話の方がわかりやすいし伝わりやすい。

表題作『熊の場所』は小学生の主人公が、同級生が猫を殺していることに気づいて怖くなり、でもその恐怖から逃げてはいかんと(「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」(笑))、その同級生と友達(?)になるというお話。
でもどのような理由があろうと猫殺しはいかん猫殺しは!
それを知ってるのに黙ってるのもいかん!
ああいったい何十匹の猫が犠牲に(涙)。
それもあってこの作品はいまひとつ好きじゃありません。

次が『バット男』。
世の中のシステムとか冷静に見つめちゃう高校生の話。
これがいちばん印象に残ったかな。

『ピコーン!』はグレちゃった女子高生(中退)が暴走族の彼氏を更正させようとする(?)話。
悪い話じゃないんだけど、文中にやたらめったらフェ●チオって出てくるのはちょっと……。
電車の中で読むのを躊躇してしまったよ(涙)。(自分が隣の人とか読んでる本が気になるクチだから)
でも主人公が、恋人を殺してしまった男を警察に突き出すんじゃなくまずその家族に謝らせに行ったのは正しい。
やり方は無茶苦茶だし乱暴だし世間の常識から見たらこの主人公や彼氏は明らかに人生失敗したクチだけど、
ちゃんとやり直そうとしたし、こういう学歴とかに関係なく「正しいこと」が出来る人は偉いと思う。
いくら学歴あっていいトコ勤めてて綺麗な服着てても、たとえば事故で人を死なせてしまった時に弁護士立てて遺族に顔も見せに来ないような人間はダメだよね。

舞城の作品は好みが分かれるところなのでオススメはしませんが、私はわりと好きです。
ちょっとわけわからなすぎるところはあるけど……。

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March 08, 2006

『だらだら毎日』~こんな日々がずっと続くなら

だらだら毎日 爆裂編
とぽすけ
4763196820

最近人気サイトやブログが本になるのが多いですね。
これもサイトで連載されてる4コママンガの書籍化です。
メガネの旦那様と陽気な奥様の日常を、ハムスター(いや私はネコかと思ってました(笑))の姿でマンガ化。
なんともいえずほのぼのとしていて、思わず「こんな生活なら結婚してもいいなあ」と思ってしまったり。
(私も旦那様のお尻を「がっ!」としてみたい(笑))
サイトも見ているんですが、やっぱり『本』という形で読みたくて。
癒し系の1冊です♪

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February 27, 2006

『マンガ嫌韓流2』~韓国を知ることは日本を知ること

マンガ嫌韓流2
山野 車輪
4883805166

出ましたね!
わざわざ『竹島の日』にあわせて出されたこの本(笑)。
再びベストセラートップに踊り出ました。
もちろんこの手の本は実は地味に存在していたし、同時に一部の人間以外には黙殺されてきていました。
それが韓流ブームによってクローズアップされたというのは皮肉といいますか(苦笑)。
表現については感情的だなどとネットでも賛否両論ですが、描いてあることは事実ですからね。
これからも韓国と「お隣さん」として付き合っていかざるをえないなら、お互いに知っておくべきことはたくさんあるでしょう。
領土問題は避けて通れませんし、北朝鮮という困った兄弟を持っている国でもありますから。
私としても出来る限り「向こうがこっちを嫌ってるんだからこっちも嫌いだ」なんて子供っぽいことは言いたくないんですが、知れば知るほど好きになる要素が見つからなくて困っております。
特に日本のCMやらポスターやらに出まくりの韓国人俳優って、私の美意識とまったくあわなくて……。
あれが美男美女に見えるの……?
そりゃ面食いではないという自覚はありますが(笑)、でもそれは好みの問題であって、美意識は普通のつもりだったのに……。

実際見ないですめばいちばんいいんですが、韓流ブームばかりでなく竹島とか靖国とか武装スリ団とか、色んな面で韓国は日本に口を(手も)出そうとしています。
いやもう正直、中国で手一杯だからあんたらの相手までしてらんないよという気持ちなのですが(中国は無視できん!)(13億だからね!)、それが私たちの生活に現実に影を落とす以上、放置しておくわけにもいきません。
というわけでまずは日韓の歴史と現在について事実を知り、感情的な抗議に対抗しうる土台を日本人の内に作らねばなりません。
そのための入門書として、マンガという形で読むのは悪いことではないと思います。
まあマンガのせいか若干表現が過激だとは思いますが(表紙の『信じられないほど腐った国、それが韓国だ!』はさすがにちと言いすぎじゃないかと)。

あ、島根県議会に応援メール送らなきゃ!

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